体育の日の午前中。机整理で出てきたサマージャンボ20枚を宝くじ売り場に持ち込んだ。ここ数年元が取れる感じでバックが来ていたが、最近2回程奮わず。まあ、結果見ないことにはね。
・・・と、そんな気持ちだったのだ。その時までは。
いつものように、紙袋を破って係の女性が機械に入れる。目の前のディスプレイに結果が出ますよー、と言うが、絶好の秋晴れによる照り返しでどうにも見えない。ま、どうでもいいことだ、あまり期待はしていない。
そして、機械による検索が終わる。
「あれ?」
「どうしました?」
機械の故障か何かだろうか。係の人が手元を見ている。そして、急に笑顔で私を見てこう言った。
「おめでとうございます。高額当選です。」
「え?」
この一瞬、走馬灯のように、3億円当たり仕事も辞めて自堕落に暮らす自分の姿が目まぐるしく脳内を駆け巡った。俺もこの血塗られた社畜道からついに開放される・・・! やっと・・・ついに・・・・
「再抽選の組違い賞で10万円です。」
・・・そんな旨い話があるわけないか。
至って平静に話を聞く。聞いたつもりだ。頭の中ではなんで同じ高額当選なら一等じゃねーンだ! とこだまする。
高額当選になると特定の銀行まで行かなくてはならないとか、場所とか。なるほど、高額の中でも一番の小物とはいえ結構面倒臭いんだな。そしてにこやかに説明終わり。おい、あの姉ちゃん、今売り出し中のクジの営業忘れてるぞ。
いくら妄想してたのより少ないとは言え、10万か。100,000円か。
親と親友に報告メール送った後にジワジワとむず痒い嬉しさがやってくる。今まで平静鉄面皮で説明聞いていたのに、誰も見ていない路地で思わずスキップしてしまった。恥ずかしい。
そんなこんなであぶく銭。
来るべき車検はともかく、スマホ買い替え資金にも流用出来るし、ちょっと購入検討した挙句先送りしたものも。現実的な金額であるからこその利点。
一つ問題があるとすれば、あぶく銭の権利を得ただけで実際に手元に持っていないことである。平日昼間に、か。有給上等な仕事で良かったが・・・。
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