先週金曜に馴染みの近場温泉に泊まりに行きリフレッシュし、土曜に家路に向かうと・・・

日当たりの悪い山道、対向車線に黒の軽が停車しており、その前に仰向けの女性が倒れている。

人身・・・だと・・・!?

と、急いで停車し現場に向かうと何だかよくわからん。
人身にしては血も何も無く、対向車も綺麗なもの。
一応、黒の軽に乗ってた男性に話聞くと、

「走ってたら雪かきしようとしていた女性が目の前でツルンとひっくり返ったので急いで止まった」

とのこと。

いや・・・それでも目の前で倒れている人放置してるのはどうかと。

声掛けして見ると女性は唸るばかり。

左手を見ると年季の入った住宅があるので、此処か、とその男性、後ろから来た女性と3人で抱えて運び込む。

最初声を掛けた時は呻くばかりだったが、段々意識が戻ってきたのか左膝がひどく痛むと言い始めた。

その頃は、最初に見つけたらしい対向車の男性と、俺と俺の後ろから来た女性の3人で相談開始。

警察呼ぶ?→コケただけならいらないんじゃ?
救急車呼ぶ?→近くに総合病院あるからそれでいいんじゃ?

で、その男性も後ろの女性も急いでいるようだったので、俺が女性を病院まで急ぎ乗せて行くような流れに。

この時に、最初に居た男性に「本当に轢いたんじゃなかったんですね?」と聞いたら、最初の言の繰り返し。
こっそり車を見ると凹みも何も無し。
しかも薄氷が張った路面に、女性が左足踏んで右足でズルッと滑った跡もある。

どうにかこうにか歩きが不自由な女性を車に乗せ病院へ。
不幸にも病院は休みだったが、看護士の方は居て、親族及び休日診療医等への連絡が出来た。
ここで波乱。

病院に付き気持ちも落ち着いてきた彼女曰く
「あの黒い軽が滑ってきたのに当たって転倒した」
とのこと。

おいいいいいいいいいいいいいいい。

それ当て逃げじゃねえか! 道理であのおっさん、初動が遅かったり、女性が意識を取り戻すとそそくさと人に預けて去ったわけだ。
アカン奴や・・・。

けれども、実際俺も居合わせたわけじゃないし、女性が滑って転んだとしか見えない道路状況と、綺麗な黒い軽の車体を見ているわけだしな・・・。

即座に当てたと判断出来ないなら、第一発見者のおっさんを信じるしかねえだろう・・・。実際、客観的に見ると当てて転んだとは考えにくい状況だったんだよ。
せめて、ナンバーメモっておくんだった・・・。

ともかく、親族の方が来るまで看護士さんと一緒に話しながら待機。
親族来たあとは、当事者以外の発見者として状況説明と経緯をメモ等を見せながら説明。

そんなこんなで自宅に辿り着くと12時で湯疲れもあってか熟睡。
気付くと着信履歴多数で、掛けてみると女性の親族の方。

「精密検査してもらったけど異常無しでした。ありがとう!」

と。
なお、後日お礼に饅頭を箱で貰いました。うまうま。
で・・・バレンタインデーに当て逃げ女性を颯爽と救出!
感謝感激でフラグ総立ちでロマンスにワンチャン?!

というシチュエーションでしたが、この女性。

「御年92歳」

とのことで、下半身のフラグも勃ちそうもありませんでしたわ。
HAHAHA。

おあとがよろしいようで。